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Franzの音楽にまみれた生活

Franzに音楽をください

ブゾーニのピアノ協奏曲を聴く

最初の音楽ネタ、どうするか割と悩んだんですが、今聴いているものを紹介するのが一番良いかなと思ったので、これにしました。さてそんなわけで最初のお題はブゾーニのピアノ協奏曲を。

演奏は、ピアノ独奏にマルカンドレ・アムランマーク・エルダーの指揮によるバーミンガム交響楽団男声合唱バーミンガム交響楽団合唱団という布陣。

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後期ロマン派のイタリアの作曲家 フェルッチョ・ブゾーニの手による作品。ブゾーニといえば、J.S. バッハの『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番』の終曲「シャコンヌ」をピアノ独奏のために編曲した事で有名な存在。原曲を忠実に再現しながらも、彼のロマンティックな一面が散りばめられて豪華になった編曲で、原曲とはまた違った魅力がある。一応YouTubeの音源を貼っておくので是非聴いてみてください。↓

演奏はアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ。録音は古いけれど、極めて正確な技巧で鮮やかに弾いてます。 https://youtu.be/O0KaGBjBxUs 


さて、そんなブゾーニのピアノ協奏曲だが、とにかく巨大。クラシック音楽にありがちな多楽章からなる音楽大体が3楽章構成とか4楽章構成とかを取っているが、この曲は5楽章構成!第3楽章に至っては、約24分という演奏時間。そして問題(?)の第5楽章…。

何が問題なんだ?とお思いの方もいらっしゃるかもしれない。まず、この曲は「ピアノ協奏曲」である。ソロピアノとオーケストラがタイマンを張って、時には戦い、時には共に歌う、そんな形式の音楽(かなり砕けたけど間違ってないと思う)が「ピアノ協奏曲」だ。しかし、演奏者紹介のところに「男声合唱に…」と書いたように、なんとこのピアノ協奏曲、第5楽章に男声合唱が登場するのだ!しかもその詞は「アラーへの讃歌」がテーマである。初めて聴いたら、いきなり野郎たちの暑い歌が聞こえてきて、は???となるに違いない(少なくとも僕はなりました)


交響曲に合唱、ならたくさんある。ベートーヴェンの第九やメンデルスゾーンの『讃歌』、ショスタコーヴィチの第2番や第3番など…でもピアノ協奏曲にはほとんどない。一応、ピアノ協奏曲に合唱が付くのは他にも三つ前例があるのだが、それ以外は全くないので、かなりの希少種である。しかも混声ではなく男声、という所がさらに希少性を高めている。


発表当時はやたら批判されたらしい。やれドイツの批評家からは「イタリアの不純な要素を入れやがって」と言われ、やれイタリアの批評家からは「ドイツっぽさを入れるのはなんなんだ、汚染だこんなもの」と言われるなど、散々な扱いだったようだ。しかもアラー讃歌(ドイツ語翻訳)も入れているものだから、悲しいが、当時は批判されても仕方なかったのかもしれない…でも聴いてみると、これが中々面白いのである。第1楽章は、分厚いオーケストラの後にピアノ独奏が鐘の音のように打ち鳴らされる所が印象的。確かに華やかなアルペジオなどではないが、壮麗な雰囲気があり、これはこれで格好良いものだ。イタリアらしい陽気な性格の強い第2楽章と第4楽章は純粋に楽しい。お祭り気分、とまではいかないかもしれないが、面白い事には変わりない。第3楽章は確かに長いが、静かに歌う部分の美しさもさることながら、中間部に急速な部分を盛り込んでいるから飽きさせない。件の第5楽章だって、ピアノすらオーケストラと同化して、男声合唱を盛り立てている(男声合唱は勿論の事、格好良い!)ブゾーニの創作意欲が爆発した作品である事には間違いだろう。


確かに、あれもこれも、と色んな国の料理が運ばれてくるイメージで、人によっては雑多に聞こえるかもしれないが、色々な要素が盛り込まれた作品だと思えば、何の違和感なく聴けると思う。こんな分厚く複雑な音楽を奏でるバーミンガム交響楽団も素晴らしいが、エルダー氏の明晰な指揮もあって、大変聴きやすいものとなっている。そして、流石としか言いようがないマルカンドレ・アムラン氏のアツい演奏!肉体的な演奏技術は完璧なので不安な所は皆無。そして、時としてオーケストラ以上に深く雄大な音を出さなければならないピアノパートをここまで雄弁に弾ききっている演奏は、中々少ないだろう(録音も確かに少ないのだが)。


さて、初めての記事だったのに長くなってしまった…が、これは僕の悪癖みたいなものなので、今後も長くなる気がする…。そして、今見返してみたら、なんか途中から文字が大きくなったりしてる…どうやったら直るんだろうこれ…分からない事だらけなこんな僕ですが、よろしくお願いします。締めが雑なのは気にしない。